借用証書の意味は説明したとおりです

簡単な借用証書をつくる

友人に50万円を貸すことになった。少ない額ではないので、あとでトラブルにならないように、借用
証書を書かせたい。でも、借用証書には、なにをどのように書かせればいいんだろう?

 

●必要なことが書いてあればいい
借用証書の意味は説明したとおりです。借用証書がなくてもお金の貸し借りは成立するのですが、
約束した内容を明らかにしたり、あとで「貸した、貸さない」といったもめごとが起きないように、借用
証書を作成しておくことは大切です。では、簡単な借用証書のつくり方を、例をあげて解説しま
しょう。

 

@例の借用証書では、借主の山田さんが全文を自筆で書いたほうがよいのですが、ワープロなど
で作成しても問題はありません。ただし、少なくとも住所・氏名は必ず自筆で書きましょう。

 

A借用金額が50万円の場合、印紙税額は400円です。貼った収入印紙には必ず消印をしま
しょう。なお、収入印紙が貼ってあるかどうかは、契約(お金の貸し借り)の効力にはまったく関係
ありません。貼ってなくても契約は成立します。また、収入印紙代は文書作成者が負担するとさ
れていますが、どちらが負担するかを話し合いで決めることもできます。

 

Bタイトルは「借用証書」でなくてもかまいません。いつ、誰が、誰から、いくら借りたかがわかる書
面になっていれば、タイトル自体がなくてもかまいません。

 

C住所氏名は、自動車運転免許証やパスポートなどの身分証明書を参照して、正確に記載しま
しょう。住民票上の住所と現住所が異なるときは、次のように併記すればよいでしょう。

 

D書面に押す印鑑は、実印(市町村に届け出してある印鑑)でも認印でもかまいません。しかし、
実印を押印したうえで印鑑証明書を付けておいたほうが、あとで裁判になった場合に書類の信憑
性が高くなります。「借用証書」は、借主が文書を書いて、貸主に手渡します。書かなくてはいけ
ないことは、契約(お金の貸し借りがあったこと)の成立を明らかにするために最低限必要な点、
@いつ、A誰が、B誰から、Cなにを、借用したか(返還の約束をして交付を受けたか)です。

 

●利息や返す日の約束があるときは
お金の貸し借りをすると、必ず利息がつくわけではありません。お金の貸し借りをするときに「利息を
つける」という約束をした場合は利息がつきますが、利息についての約束をしなかった場合は、貸主
と借主が商人か個人かによって変わってきます。また、利息をつけることは約束したけれど、利率
までは約束しなかった場合に、どれくらいの利息がつくのかも、貸主と借主が商人か個人かによって
変わります。さて、借用証書の例では、利息や返済期限についての記述がありません。これでも
「お金の貸し借りが行なわれた」証拠にはなりますが、あとで返済日についてトラブルが起こるかも
しれません。また、たとえば親子間での貸し借りの場合、文書では「借用」となっていても、返済
期限を決めず利息もないとなると、実際は「贈与」だと税務署に判断されて、その額によっては
贈与税が請求されることもあります。ですから、やはり返す日を決めて、文書に記載したほうが
よいでしょう。利息をつけるのであれば、それも記載します。

 

●字を間違えたときは
借用証書を書いていて字句を問違えたとき、その訂正はどのようにすればよいのでしょうか。まず、
書き直すのがいちばん無難です。安易に捨印によって訂正することは、あとでトラブルになる原因に
なります。とくに貸したお金の額・利率・返済期限の約束を間違えたときは注意すべきです。これら
を書き間違えたときは、できるだけ書き直しましょう。書き直すことができない場合には、捨印による
訂正ではなく、訂正箇所に直接押印して訂正するほうがベターです。