返済期間が長くなると、貸主や借主が他の誰かに

返済期限が来る前に貸主・借主が替わってしまったら請求・返済は誰にすればいいのですか

●死亡したり法人成りしたり
返済期間が長くなると、貸主や借主が他の誰かに替わってしまうことが、しばしば起きます。たとえば、
貸主や借主が亡くなったり、法人成りしたといった場合がそうです。そんなとき、請求や返済は誰に
すればいいのでしょうか。

 

●貸主が亡くなった場合には
貸主が亡くなったら、借主は誰に返済すればいいのでしょうか。法律の世界では、

 

@遺産分割の協議がまとまっていれば、その協議によって相続した人に、協議によって決まった金額
を返す。

 

Aまだ協議がまとまっていなければ、貸主の相続人全員に、それぞれの法定相続分に相当する
金額を返す。

 

となっています。しかし、他人の相続人が誰かということは、近所同士でもなかなかわかりません。
そこで、戸籍謄本や遺産分割協議書など、相続する権利があることがはっきりわかるものを見せて
もらい、「誰に」「いくら」返せばいいのかを確認してから返すようにしましょう。「どの相続人にいくら
払えばいいのかわからない」というときには、「供託所」に行って供託することになります。

 

●借主が亡くなった場合には
借主が亡くなったら、貸主は誰に請求すればいいのでしょうか。法律の世界では、遺産分割協議
のあるなしに関係なく、借主の相続人全員に、それぞれの法定相続分に相当する金額を請求する
ことになっています。しかし、そのように請求するのは実際には難しいですから、わかっている相続人の
誰かにまとめて請求をすることになるでしょう。

 

●法人成りした場合には
「法人成り」とは、個人で行なっていた事業を会社などの法人に移すことをいいます。節税対策や、
いろいろな許認可を受けやすくするために、法人成りがよく行なわれます。ところで、貸主や借主が
法人成りした場合、請求や返済はどのようになるのでしょうか。個人で事業を行なっていた人が法人
成りすると、それまで個人で行なっていた事業を会社がすべて引き受けるわけですから、なんとなく
貸主や借主といった地位も会社にそっくり移行するような感じがします。しかし、個人と法人(会社
など)は、たとえその法人が社長のワンマン会社であっても、法律の世界ではまったく別々の存在です。
したがって、法人成りしたときに、貸主・借主としての権利や借金を会社に移すといった約束をしてい
なければ、貸主・借主は相変わらず個人のままで、会社はお金の貸し借りに関係ありません。お金の
貸し借りについても会社に移行したいのであれば、忘れないうちに、債権譲渡や債務引受をして
おきましょう。